日本酒の賞味期限は約1年(生貯蔵酒の場合は約9ヶ月)
そもそも日本酒には「賞味期限」の表記義務がありません。
アルコールの殺菌作用のおかげで長期保存が可能な日本酒には基本的には賞味期限というものは存在しません。
※WHO(世界保健機構)など世界的にも有名な機関などでも、お酒(アルコールが10%以上)の賞味期限は記載する必要はないとなっています。
そのかわり「製造年月」の表記が義務付けられています。日本酒をつくった日にちのことですね。
この製造年月についてですが、すこし落とし穴があります。
この日付は「日本酒が作られた日」ではないのです。
「日本酒が瓶詰めされた日」なのです。
なので、ここが最近の日付だから新酒だろうと思って買っても新酒ではない可能性だってあります。
ではなぜ日本酒を作った(醸造した日)ではなく、「瓶詰めした日」になってしまうのでしょうか?
これは日本酒の味のばらつきが原因になってます。日本酒は基本的に自然のチカラをかりて作られます。
お米の品質、酵母の品質など様々な要因で日本酒の味が決定します。よって同じ製法で作っても毎年味のばらつきがでてしまいます。
それでは安定して商品を提供することができませんよね。
そこで行われるのが「ブレンド」です。
日本酒をブレンドすることで、毎年の日本酒の味を一定にしているのです。
もちろんこのブレンドを行わずにそのまま出荷する酒蔵もありますが、このような理由で「製造年月」は「日本酒を瓶詰めにした日」になったのです。
さて、賞味期限の存在しない日本酒ですが、「日本酒を美味しく飲める期限」というものは存在します。
搾りたての日本酒と瓶詰めして10年後の日本酒では健康上は問題ないかと思いますが、味や風味は変わってしまいます。
その期限というのが、製造年月から
通常の日本酒の場合:約1年
生貯蔵酒や生酒の場合:約9ヶ月
といわれています。長いと思いますか?短いと思いますか?
ここでいう「通常の日本酒」は「加熱処理がされている日本酒」のことです。一般的にスーパーや店頭に並んでいる日本酒は加熱して殺菌処理が2回されています。
逆に加熱処理が一度だけだったり、全くされていない日本酒の生貯蔵酒や生酒の場合は通常の日本酒よりも少し短く約9ヶ月となります。
もちろん一年後、9ヶ月後に急に味が落ちるわけではないのですが、やっぱりなるべく搾りたての日本酒を飲みたいですね。
もちろん上記の期間は未開封の日本酒のことですから、一度開封してしまった日本酒は日に日に味が落ちてきます。
数日程度であれば問題ありませんが、開封後、数週間も経ってしまった日本酒はなかなか美味しいとはいえません。。。
「古酒」なんてものもあるから熟成して美味しくなるんじゃないか?なんて思うひともいるかと思いますが、日本酒はとてもデリケートなお酒です。
専門家の管理下のなか長期保存される「古酒」と、一度開けて放って置いた日本酒とはまったくの別ものです。。。
日本酒を美味しく保存する方法
日本酒はとてもデリケートなお酒と先ほど述べましたが、正しく保存していない日本酒はあっという間に味が劣化してしまい、本来の美味しさを感じることができなくなってしまいます。
日本酒を美味しく保存する上でのポイントは2つです。
「紫外線」と「温度」
紫外線というとお肌の大敵というイメージがあると思いますが、日本酒にとっても紫外線は大敵です。
なので、保存する場合は「光」はすべて遮断するべきです。
真っ暗な場所がベストですが、どうしても光が入ってしまう場合は瓶ごと新聞紙などでくるんでもいいかもしれません。
ちなにみ紙パックで売られている日本酒があるかと思いますが、こちらは紫外線が紙パックで遮断されますので、紫外線の心配はありません。
また「温度」も大事なポイントです。
一般的な日本酒は常温でも保存可能ですが、なるべく温度の低いところに保存しましょう。日本酒の大敵は「高温」と「温度変化」です。
もし冷蔵庫にスペースがあるのであれば、冷蔵庫に保存しても構いません。ときかく高温になること、急激な温度変化を避けることに注力しましょう。
また「生酒」や「吟醸酒」などは冷蔵庫での保存が適しています。
また「要冷蔵」の記載にも注意して保存してください。
特に生酒は加熱処理をしていないので、味の劣化が早いです。冷蔵庫での保存が必須となります。
また、保存する向きも「上向き」にして置くようにしましょう。横に倒して置いているのも見かけたりしますが、味の劣化は日本酒と空気が触れることによって起きます。
横にしてしまうと空気にふれる部分が多くなるので劣化しやすくなってしまいます。
まとめますと日本酒の理想の保存方法は「真っ暗(新聞などで包むのも可)で冷えた(冷蔵庫がベスト)、温度変化の少ないところで縦置きで保存する」です。
日本酒って熟成できるの?
先程「古酒」の話がでましたが、「古酒」とは「ちゃんとした管理下で」5年や10年寝かせた日本酒となるのですが。
自宅でも可能な限り「ちゃんとした管理下」にすることにより、好みの古酒気分を味わえることが可能です。
基本的に温度が低ければ低いほど熟成は遅くなります。逆に常温に近づけば熟成は早くなります。
しかし高温になりすぎても味が劣化してしまうので、ここらへんの温度管理が難しいところです。。。
開封後、味の落ちてしまった日本酒は料理酒として
日本酒あるあるかと思いますが、贈り物などで一升瓶をもらって、はじめは美味しい美味しいと飲んではみるものの、そのまま放置してしまって。。。
ということはよくあると思います。一度開封して時間の経ってしまった日本酒は味が劣化してしまいあまり美味しいとは言えなくなってしまいます。
そもそも、これらの古くなってしまった日本酒って飲んでも大丈夫なのでしょうか?
ですが、これらの日本酒も料理酒としてなら十分に利用できます。
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